ツーショット (2・罪本編中)


「情人〜!」
嬉しそうな声と、笑顔が輝く。

「あら、リサの登場ね」
そうしてくすりと笑った舞耶の視線を受けたからか否かはわからないが、達哉はジッポを一度鳴らすと、寄りかかっていたバイクから背を外した。

「おはよう、情人」
語尾にハートマークが舞いそうな勢いでリサが達哉の腕にしがみ付く。

それに応えるかの如く、パチンとジッポを鳴らした達哉に、
「おい、ギンコ。タッちゃんが迷惑そうだろうが」
栄吉が眉間にしわを寄せて提言した。

「うっさい!あんたに何がわかんのさ!」
達哉の腕にしがみ付いたまま、リサは栄吉に向けて舌を出す。

「んだと!?大和撫子ってのは、そりゃもう雅のような…」
そうして始まろうとした口論に、
「本当にミッシェルは彼女の事が好きなんだね」
淳が小さく笑みを漏らした。

「あったりまえでぃ!雅は最高に決まってるだろ?!」
胸を張る栄吉に、
「まぁまぁ、いいじゃないの」
舞耶が笑って仲裁に入る。

「栄吉君には雅ちゃんがお似合いのように、達哉君にはリサちゃんが似合うって話じゃない」
「舞耶ちゃん、いい事言うー!」
舞耶の言葉に、リサがVサインを作った。

「でもよ、タッちゃんほどモテるならこんな猪突猛進女じゃなくても…」
納得がいかないのかどこか嘆息した栄吉に、舞耶は笑みを漏らす。

「何で笑ってんだ?舞耶ネェ」
「んーん、君達は本当に仲がいいのね、と思って」
そう言いつつ、舞耶は笑みをとめない。

「俺とギンコのどこが!」
「あたしとあいつのどこが!」
そうしてハモった声に、淳までもが笑い出す。

「それが何より仲良い証拠よ。それに、達哉君の隣に並ぶのはリサちゃんに決まってるのを何よりも知ってるのだってここにいるみんなだもの」
その瞬間、全員の脳裏に浮かぶもの。

楽しく遊んだ幼い頃。
その時からいつもそうだったのだ。

「ピンクがお母さんで、レッドがお父さんだからね」
「そうそう」
そして、
「何より有名なセブンス一カッコいい達哉君の隣に並ぶ、セブンス一可愛いリサって言う図は素敵よ」
手で枠を作ってその構図を見る舞耶に、リサは微かに頬を染める。

「2人が並んで大きくなった姿が見れてお姉さんは嬉しいぞぉ」
「うん、もちろんこれからだって一緒でしょ?情人」
そうして笑う舞耶とリサに、達哉は再びジッポを鳴らした。


* back *


書いた日付を確認したところ、07年2月6日という古さなのですが、最近ペルソナシリーズを振り返っている、という事でUPです
…といいつつ、やってるのは女神異聞録とP3なんですけどね…
異聞録もP3もPSP化ということで、2もPSP化するの待ってるんですが…ならないのかなぁ…(期待半分)